【初心者向け】サクッとマスター!財務諸表の見方①【中長期投資】

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中長期投資の成功は、財務諸表の見方をマスターしているかどうかにかかっていると言っても過言ではありません。しかし、たった一人で知識を習得するのはかなりしんどいです。そこで今回は、簡単な財務諸表の見方について初心者の方にも分かりやすく解説していきます。

 

 

財務諸表のいろは

財務諸表ってなに?

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財務諸表とは、会社の経営状態や財務の健全性を見極めるためには欠かせない書類のことで、簡単に言うと「カルテ」のようなものです。特に、株式会社の場合は決算発表の時に提出しなければならないので、今ではインターネット上から誰でも財務諸表の内容を閲覧することができます。あと、財務諸表にはいくつかの種類があって、おおまかに分けるとこんな感じになります。

 

貸借対照表=資産や負債のバランスが分かる

損益計算書=利益と費用の状態が分かる

キャッシュフロー計算書=現金の動きが分かる

 

中長期投資に役立つ財務諸表の見方

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中長期投資の成功率は、財務諸表の見方を知っているかどうかで大きく変わってきます。ただ、財務諸表に載っている全ての情報を隅から隅まで理解するのは、敏腕経営者レベルの知識がないと難しいところがあります。なので、今回は株式投資で役立つポイントのみに絞って解説していきます。

 

◎収益性分析=どれくらい稼いでいるのかをチェックする

◎安全性分析=資産と負債の関連性をチェックする

◎活動性分析=積極的に経営しているかどうかをチェックする

◎生産性分析=企業の効率性をチェックする

成長性分析=企業の将来性をチェックする

 

財務諸表を使った分析方法は上記の5種類があります。どの分析方法も、安定した会社経営の状態を維持するために用いられるケースが多く見られますが、中長期投資を行うだけなら収益性分析安全性分析の2つをマスターしておけば事足りると思っています。なので、この2種類の分析方法だけはしっかりと身に付けておきましょう。

 

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意外に簡単!収益性分析のポイント

収益性分析ってなに?

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収益性分析とは、企業の稼ぐ力を見極める時にとても使える分析方法のひとつで、主に財務諸表の「損益計算書」に載っている情報を活用して分析を行っていきます。また、収益性分析にはいくつかの財務指標がありますが、中長期投資に重要となってくる種類はかなり限られてくるので、初心者の方でも簡単にその見方をマスターできます。

 

まずは「6つの財務指標」をマスターしよう!

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中長期投資で使える収益性分析の指標は、「売上高総利益率・売上高営業利益率売上高経常利益率売上高当期純利益率ROEROA」の6種類があります。何だか覚えるのが大変そうですが、安心してください。どの財務指標も見方や計算方法はあまり難しくないので、のちほどゆっくりと説明していきます。

 

金融関連株の分析は難易度が高い

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中長期投資を続けていると、さまざまな業種の銘柄を分析するようになります。また、自分が得意な業種なども自然と分かってきますが、銀行や証券会社といった金融関連株は事業形態が通常とかなり異なっているので、分析の難易度は非常に高いです。実際、僕の場合も何度か投資に失敗しています。なので、財務指標の見方に相当の自信がない限り、金融関連株への投資は避けた方が無難です。

 

売上高総利益率が25%以上

売上高総利益率ってなに?

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売上高総利益率とは、企業の競争力を見極める時に使う指標のことで、販売している製品のブランドイメージや消費者の利用頻度が高いと、この指標の数値も上がるという特徴があります。あと、売上高総利益率の計算は「売上総利益÷売上高×100」といった方法になります。

 

優良企業の目安は「25%以上」

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僕の経験上、中長期投資で成功しやすい銘柄は「売上高総利益率が25%以上」になる場合が多いです。また、各業種の平均は20%前後で推移していますが、大量に製品を販売するといった経営戦略を取っている企業もこの数値が高い傾向にあるので、他の利益率と照らし合わせて総合的に判断していきましょう。

 

売上高営業利益率が4%以上

売上高営業利益率ってなに?

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売上高営業利益率とは、どれだけ効率的に収益を上げているか見極める時に使う指標のことで、売上高から営業時に発生したコストを差し引いた「営業利益」を基に計算が行われます。あと、売上高営業利益率は「営業利益÷売上高×100」で算出できます。

 

効率性が高い企業の共通点

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効率の良い経営をしている企業の多くは、「売上高営業利益率が4%以上」になるといった共通点があって、コスパの良い事業を行っている企業は特にこの数値が高いです。なので、僕は財務諸表の見方の中でもかなり重要視しています。

 

売上高経常利益率が4%以上

売上高経常利益率ってなに?

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売上高経常利益率とは、企業の経営活動によって日々発生している利益を分析する時に使う指標のことで、個人的には売上高営業利益率と同じくらい重要な存在だと考えています。また、売上高経常利益率の数値は「経常利益÷売上高×100」という計算方法で算出することができます。

 

儲かっている企業の目安はどのくらい?

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中長期投資銘柄の対象となる売上高経常利益率の目安は、だいたい4%以上と覚えておきましょう。あと、この条件を満たす企業は「健全な経営スタイルを保っている」ことが多いので、消費者からの信頼も厚く、中長期投資には最適な銘柄です。

 

売上高当期純利益率が4%以上

売上高当期純利益率ってなに?

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売上高当期純利益とは、企業に残った最終的な利益の割合をチェックする時に使う指標のことで、日本の会計では法人税などの税額を控除した金額を「純利益」として財務諸表に載せるパターンが多いです。あと、売上高当期純利益率は「当期純利益÷売上高×100」で算出できます。

 

数値が高ければ良いというわけではない

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僕の場合、優良企業の目安を「売上高当期純利益率が4%以上」として銘柄を探すようにしています。ただ、数値が高ければOK!というわけではありません。例えば、経常利益より純利益の方が多い時は、株式や土地などの資産を売却して一時的に利益が増えているだけといったケースもあるので、注意しておいてください。

 

ROEが10%以上、ROAが5%以上

ROEROAの簡単なおさらい

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ROEROAという財務指標は、以前書いた【初心者向け】四季報を味方につけて株式投資で稼ぐ方法③【中長期投資】という記事の中で、その使い方を紹介させていただきました。財務諸表の見方をマスターする時も、この2つはかなり重要になってくるので、今回の記事でも簡単にまとめておきます。

 

ROE=企業の稼ぐ力を判断する(戦闘力みたいなもの)。10%以上で優良企業!

ROA=効率良く資産の運営が行われているか判断する。5%以上で優良企業!

 

あと、下記のリンクを参照することで、ROEROAの見方や知識がさらに深まります。よろしければご覧になってください。

 

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まとめ

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中長期投資で重要な役割を担う「財務諸表の見方」について、初心者の方にも理解しやすいように紹介してきました。財務諸表は、企業の健康状態を知る「カルテ」のような存在です。ただ、普段の生活で目にする機会がない用語がたくさんでてくるので、独学で見方を身に付けるのはかなり大変です。なので、今回の記事が「財務諸表マスターへの一歩」となれば幸いです。

 

次回の記事では、財務諸表の見方をマスターする際に必須となる「安全性分析」という分析方法について解説していこうと思います。最後までお付き合いしていただき、ありがとうございました。